ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

2022-01-01から1年間の記事一覧

できることを探す

今年の10月、思いがけないところから電話があり、15年以上前に勤めていた仕事に3月までの期間限定で就くことになった。学校に通えなくなった中学生を支える仕事で、かつて、自分なりの使命感を持って真剣に打ち込んでいた。そこで私が得たことは語り尽くせ…

母からのハガキ

師走に入り、母からハガキが届いた。「お父さんはいくら悲しんでも帰ってこないのだから、楽しく過ごそうと誓ったはずなのに、思うようになりませんでした。」と書かれた文面には、母の今の気持ちが溢れていた。 4月に父が亡くなってから、視界不良の日々を…

扉のリフォーム

我が家を建てて、そろそろ25年になる。愛着はたっぷり感じているが、あれこれインテリアを工夫するのが小さい頃からの楽しみだったので、模様替えなどを繰り返しながら小さな変化を楽しんでいる。リフォーム、リノベーションなどという言葉にはテンション…

モミフェス

近くでモミフェス(紅葉フェスティバルのことだと最近知りました)をしている庭園があり、そばに用があるついでに訪れた。最近なんだか忙しくて日課にしていたユルいジョギングもしていなかったので、きれいな紅葉のなかで気持ちよくジョグろうといそいそと出…

この道をいけばどうなるものか

10年以上も離れていた仕事に、期間限定で復帰することになった。そんな気などさらさらなかったので、そんな仕事をしていたことすら忘れかけていたのに、ひょんなことからそういうことになってしまった。 正直言って不安ばかりである。現在の生活は、今の自…

はなしの続き

近くの公園で日課のジョギングをしている折、ボランティアで掃除をしている年配の男性といつも挨拶を交わす。今日も同じように挨拶すると、「いつも元気だねぇーどこから走ってくるの?」とさらに話しかけてくれた。応じているうちに、ご自身のことも話して…

つけっぱなしの背番号

先週土曜日から高校野球の秋季大会が始まり、我が家では今までにないときめきの一週間を過ごした。 弱小高校野球部員である次男は、2年生の今まで一度も公式戦で勝利したことがなかった。大会は初戦敗退の繰り返し。いつもあっという間に終わってしまう。母…

母のスマホデビュー

母のラインの返信に見馴れないスタンプが押されている。思わず「おっ🎵」と歓声を挙げた。スゴイ。よくぞここまで…、と感動した。 84才の母がスマホデビューをしたのは、二か月前。父の四十九日の日だった。そこから母は、この不可解な代物に悪戦苦闘するの…

小さきもの

昨日のこと。窓の外から、「ミャーミャー」と鳴き声がするので覗いてみると、黒い子猫が裏庭にたたずんでこちらを見ていた。たまに猫が庭を横断することはあったが、ここで子猫に遭遇したのは初めてである。その瞬間、私のテンションは上がりまくり、家族ラ…

今日の一番

健康のために、週に三回ほど近所の遊歩道をジョギングしている。ウォーキングでもいいのだが、せっかちの私は手っ取り早く「頑張ってる感」を感じたくて、ついつい走ってしまう。決してアスリート風ではないヨタついた感じのジョギングは、傍目にも健気に映…

キャプテン

次男が出場する高校野球の夏季大会1回戦を応援に行った。残念ながら、チームはエラーが重なりコールド負け。あっという間に彼の夏季大会は終わってしまった。 ここまでチームを引っ張ってきてくれた3年生は、これで引退。試合後後輩に向けて一人一人挨拶を…

喪の作業

先日実家に行った折、リビングのレースのカーテンが新しく取り替えられた。以前から準備を進めていたものらしい。見るたび何度も「いいねぇ。」と母が口にする。そして、「お父さんが退院したときに見せたいと思ってたのにさぁ。」と続ける。それに私が「そ…

父の手仕事

父は、会社員の仕事を退職した後、指先の運動に、と広告チラシを折って紙箱を作るのを日課にするようになった。簡単なように感じるその作業は、父らしい丁寧さとこだわりが加わり、徐々に職人のような手さばきになっていった。しかも、これも父らしいのだが…

最期の握手

私の父の納棺の時、息子は泣いていた。よほどのことがないと泣かない彼が珍しいことだった。 後から話してくれたことだが、彼は荼毘に伏す前に、「じいちゃんと握手をしよう」と決めていたのだという。父とは離れて暮らしていたので、孫である私の息子と別れ…

ぬくもり

小樽に住む父が亡くなったと連絡が入り、実家に駆けつけた。その日の朝に本人から電話をもらって明るく話したばかりで、全くピンとこない。しかし、家に着くと父の顔には白い布が被せられ、枕元にはろうそくと線香がおかれていた。 その違和感を振り払うよう…

父の生き方

私たちの幼い頃、父は典型的な仕事人間で、いつも朝早く家を出て、遅くに帰ってきました。子どもながらに感じていたのは、真面目で何事にも丁寧で、厳しいけれど、面倒見のいい仕事人としての父。忙しい毎日だったはずなのに、幼い頃の父との思い出はたくさ…

お帰りなさい

心臓の手術を受けて、あと一週間で家に戻れるはずだった父の心臓が突然止まった。そして、なす術もなくあっという間に遠くへいってしまった。 今朝も病院から電話をくれた。昨日は痛みもなく良く眠れたと言い、ごはんも全部食べたと言っていた。その履歴が「…

道しるべ

お父さんへ 手術が終わって、二週間だね。きっとまだ思うように身体が動かせないでいるよね。病院でどうしているのかなぁと毎日想像しています。 手術、大変だったよね。手術後にたくさんの管につながれたお父さんを見たとき、「本当によく頑張ったなぁ」っ…

サクラサク

小樽の実家からもらってきた桜の枝に、今朝、薄桃色の花が咲いた。雪に埋もれていた桜の木の枝が除雪の際に折れてしまったので、花瓶にさしておいたら一足早く家のなかでお花見ができるかもよ、と義兄が持たせてくれたものだ。 小樽には、先月末に手術をする…

伯母の思い出

95才の伯母が亡くなった、と連絡が入った。このご時世で、葬儀に駆けつけるのも憚られ、遠くから見送ることとなった。50年も昔の記憶が蘇ってくる。私の幼い頃の親戚付き合いの要にいたのが、この伯母だった。母の実家の畳屋に嫁いだ伯母は、私の祖父母、…

この空間の居心地は自分が守るという誇り

ご主人が退職後、ご夫婦で経営されているという小さなカフェを訪れた。ご主人は最近ご病気をされたようで、からだの自由がきかないようだ。それでも作業の大半を奥さまがこなし、これまでと同様の経営を続けている。料理の提供などは以前よりも時間がかかっ…