ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

サクラサク

 小樽の実家からもらってきた桜の枝に、今朝、薄桃色の花が咲いた。雪に埋もれていた桜の木の枝が除雪の際に折れてしまったので、花瓶にさしておいたら一足早く家のなかでお花見ができるかもよ、と義兄が持たせてくれたものだ。

 小樽には、先月末に手術をすることになった父を応援するために出かけた。87才の高齢で心臓のバイパス手術をすることは、父本人が決断した。医者の話を聞いて、納得し、「先生を信頼して命をあずける」と告げ、あとは一切不安を口にしなかった。

 十時間にも及ぶ手術のあと、ICUでまだ麻酔の覚めきらない父と再会した。たくさんの管につながれ、こちらの声かけに小さな反応を返そうとする姿をみて、頑張ったんだなぁ、と思った。「たいしたもんだわ、すごいすごい。」と声をかけた。

 翌日、家に帰る道中、無事麻酔も切れて意識が戻り、「リハビリ頑張る」と父が言っているという連絡が来た。心配されていた諸症状はないようで、ずっと張り詰めていた母は、やっとその夜ゆっくり眠ることができたそうだ。

 手術前も術直後も病院からは「高齢ですし、いつどうなるかはわかりません」という説明を何度も受けた。当然の説明と理解はしているが、それを聞くたび母はどれ程不安だったか。母もよく頑張ったと思う。

 先日やっと一般病棟に戻り、今は痛みに耐えながらリハビリを始めているらしい。外の桜が咲く頃には、父の笑い声が聞けるのではないかと楽しみにしている。