ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

モミフェス

 近くでモミフェス(紅葉フェスティバルのことだと最近知りました💦)をしている庭園があり、そばに用があるついでに訪れた。最近なんだか忙しくて日課にしていたユルいジョギングもしていなかったので、きれいな紅葉のなかで気持ちよくジョグろうといそいそと出掛けた。

 混雑、というほどではないが、いつもより多くの人がいて、小さな駐車場は数台が空き待ちをしている状態だった。
 それほど待つこともなく駐車できたので、中に入り、あちこちでカメラやスマホをかまえて紅葉シーンを切りとっている人々も風景として感じながら、気持ちよく30分ほど走った。小さな子どもをつれた親子、老夫婦、親子三代の御一行、団体客、私のようなウォーキング、ジョギングの人、そして三脚を立てた本格派のカメラマン…。いつもはシーンと静まり返っているはずの場所に集った様々な人々がうまい具合に紅葉に溶け込み、なるほど、静かなフェスティバル❗️と感じるひとときだった。

 駐車場に戻ると、やはり数台が空き待ち状態だった。急いで譲ろうと車を出そうとすると、先に出ていた車が前で一度停まった。どうしたかと見ていたら、近くで待っていたご高齢の夫婦とその娘(または嫁)と思われる方がゆっくり車に近づき、娘さんは車のドアを開けて二人を労りながら席に着かせ、ドアを静かに閉め、後ろで待っている私に向かって丁寧に頭を下げた。

 爽快な気持ちが、一気に、寂しさと切なさに切り替わった。去年の今頃、遊びに来てくれた両親に同じようにしながら過ごした数日がよみがえり、そしてもうそれはできないのだと気づく。そっか、もう、できないんだなぁと。

 父が亡くなって半年が過ぎた。父がいなくても、毎日は普通に過ぎていく。普通に過ごして、でも時々なにかのきっかけで父の温もりを思い出す。今日のように。その時は切ないけれど、その瞬間、父に会えた、と思うようにしている。今日も父はモミフェスに来たのだ、きっと。