ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

小さきもの

 昨日のこと。窓の外から、「ミャーミャー」と鳴き声がするので覗いてみると、黒い子猫が裏庭にたたずんでこちらを見ていた。たまに猫が庭を横断することはあったが、ここで子猫に遭遇したのは初めてである。その瞬間、私のテンションは上がりまくり、家族ラインに「裏庭に子猫がいる❕」と送ってしまった。

 私はどちらかと言えば犬派で、猫に夢中になったことなどないが、「子猫」の仕草は格別で、まさに枕草子の「何も何も、小さきものはいとうつくし」である。それが我が庭に出没したとなっては気になって仕方がない。何度ものぞくと、どうやら親猫と子猫2匹が我が庭裏の崖下にいて、我が裏庭で遊んでいることがわかった。


 家族が帰ってきてその様子を伝えたが、たぶん今や珍しい「野良猫」なので、抱き上げたり餌をやったりは決してしないように、と共通確認をした。

 今朝、朝の準備にあわただしく動いていると、また窓の外から「ミャー」が聞こえた。私より先に長男が窓に突進した。そこからは家族がとっかえひっかえ窓の外を覗き、やれ親猫のおっぱいを飲んでるだの、物置の下に逃げ込んだ、だのと目が離せない。家族が出掛けたあとも、私は今、10分おきに彼らの様子を観察している始末である。

 感心するのは親猫だ。目まぐるしく動き回る子猫たちを後目に、ほとんど動くことなく同じ場所にどっしり陣どっている。その周りを子猫たちは安心して好奇心のままに探検しているのである。

 こんな風に子育てすればよかったなぁ。やるべきこと、沸き起こる心配などそっちのけで、ただどっしりとその場に居るだけ。あぁなんて、幸せな時間…。

 猫の親子を見ながら妄想がどんどん膨らみ、なかなか窓から離れられないでいる。