ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

母からのハガキ

師走に入り、母からハガキが届いた。

「お父さんはいくら悲しんでも帰ってこないのだから、楽しく過ごそうと誓ったはずなのに、思うようになりませんでした。」と書かれた文面には、母の今の気持ちが溢れていた。

 4月に父が亡くなってから、視界不良の日々を不安とさみしさに押し潰されそうになりながら、なんとか生きてきた母。切り替えようともがいてももがいても、同じところに戻ってしまう心境は、わかりすぎるくらいわかる。
 離れて暮らしている私には、してあげられることも限られ、まめに電話やLINEで話を聞いたり近況を報告しあったりするくらいしかできなかった。というより私も、父がいなくなったさみしさを、共有しあえる母と話すことで受けとめ、自分を立て直していたようにも思う。

 しかし、母はハガキの中で、私の電話やLINEに慰められた、と書いてくれていた。モヤモヤがなくならない日々の中で、救われたような気持ちになった。

 時間薬は、速効性はないが、きっと少しずつ少しずつ、母の視界も開けてくると思う。父に語りかけながら、日々を楽しく、明るく生き切る姿を、私たちや孫たちに見せてくれると信じている。今はそのための助走の時期なのだ。

ハガキの最後には「又、一から出直しです。」と書いてあった。何度出直しても、お父さんはちゃんと見ていてくれてるよ、と心の中でエールを送った。