ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

お帰りなさい

 心臓の手術を受けて、あと一週間で家に戻れるはずだった父の心臓が突然止まった。そして、なす術もなくあっという間に遠くへいってしまった。
 今朝も病院から電話をくれた。昨日は痛みもなく良く眠れたと言い、ごはんも全部食べたと言っていた。その履歴が「13時間前」と携帯に残っている。この電話はもう鳴らないのか。全くビンとこない。いや、きっと一番戸惑っているのは父本人に違いない。

 連絡の電話を受け取って、とっさにオカリナを握った。遠くに居るからすぐそばにはいけない。でも、旅立ってしばらくは声が聞こえているらしいし、幽体離脱でここまで来てくれるかもしれない。悲しみよりも先にその事が頭に浮かんだ。
 オカリナで「いのちの歌」を奏でた。でも、お父さん。まさかこんなに早くに聞かせることになると思ってなかったから、全然練習してなかったよ。もっと上手に吹いて送ってあげたかったのに。悔しい。ごめんね。
 今、車で実家に向かう途中、父が家に戻ったと連絡が入った。やっと帰れたね。早く帰りたくて、一生懸命リハビリを頑張っていたもんね。

会ったら真っ先に「お帰り」って言おう。早く会いたい。