ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

つけっぱなしの背番号

 先週土曜日から高校野球の秋季大会が始まり、我が家では今までにないときめきの一週間を過ごした。

 弱小高校野球部員である次男は、2年生の今まで一度も公式戦で勝利したことがなかった。大会は初戦敗退の繰り返し。いつもあっという間に終わってしまう。母親達の間では、大会前に監督から配られ、試合に負けると回収される背番号について、一時間近くかけて心を込めて丁寧にユニフォームに縫い付けた背番号を、たった一試合で即、剥がさなければならない無念さを嘆きあっていた。

 ところが今回は、絶妙なくじ運に恵まれ⁉️悲願の初勝利、初校歌を経験することができた。そればかりか、その勢いで二回戦も勝ち進み、夢の全道大会代表決定戦にまで進むことになったのだ。


 高校としても36年ぶりの代表決定戦出場ということで、地元紙でもとりあげられたりして、選手達は無邪気にはしゃいでいた。ところがここまで進むと応援の波は急に大きくなっていった。高校の売店のおばちゃんは、決勝前日の土曜日にわざわざグランドに差し入れを持ってきてくれた。当日はOBも応援に駆けつけてくれ、休日だというのに先生方や在校生もたくさん声援を送ってくれた。相手の名門校の立派なブラスバンドの応援に負けないようにと、引退後の三年生は何処からか太鼓を借りてきて、手拍子の応援を盛り上げてくれた。
 
 今日行われた決勝は一方的な展開であっという間のゴールド負け。こうして、楽しかったわくわくの一週間が終わった。

 今回の大会では、今までと違う景色を見ることができた。こんなに注目され、たくさんの人に応援されて試合ができたことで、彼らの世界は膨らんだような気がする。奇跡のような一週間だった。

 そして母達は、明日、一週間ユニフォームにつけっぱなしだった背番号をはずす。これまでとは違う気分で、剥がすことができると思う。