ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

「こごみ」の縁

 三年間お世話になった十勝から道南の自宅に戻って早くもひと月半。片付けや断捨離に明け暮れて家にこもっていたが、十勝でせっかく習慣にしていた運動を、からだが忘れないうちに復活させなくては…と気持ちが動いた。
 十勝の町では、年間12000円で町のジムが使い放題というありがたいシステムがあったのだが、ここではそういうわけにはいかない。まずは無料でできることから…と、外をジョギングしてみることにした。

 ご近所を走るのもいいが、初回は車でスーパーに買い物に出かけたついでに、その駐車場に車を停めたまま、辺りの川原をゆっくりと散歩風ジョギングすることにした。三年留守にしていたこの街と、あらためて仲良くしたい気持ちだった。

 お散歩コースとして整備されているだけあって、道路もきれいだし、まだまだ桜も楽しめる。接している家々のお庭も素敵だ。途中でお散歩されている人とすれ違ったり追い越したりする。マスクをしてはいるものの、このご時世、声を出しての挨拶は気にされる方もいらっしゃるかと軽く会釈すると、相手もその意を解して、にこやかに会釈を返してくださった。ちょっと嬉しい。

 道端に「こごみ」がすっかり大きくしげっているのも見つけた。考えてみたら、「こごみ」という山菜は、十勝で仲良くしていたお友だちが山菜採りに連れていってくれた時初めて覚えた。三年前にここでもし見かけても気がつかなかったろうな、と思う。ちょっと勉強して帰ってきましたよ、とこごみに話しかけた。

のんびりゆっくり30分。久しぶりに気持ちのいい汗をかいた。

 その翌日、十勝のお友だちから食べきれないほどの「こごみ」が届いた。二つの土地が、握手をしたような気持ちになった。