ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

母 函館滞在記

 母が久しぶりに函館の我が家に遊びに来た。色々あって、直接会うのは久しぶりだ。その分、今回は1週間と長く滞在。いつもは、どこへ行こうかと、タイムスケジュールを綿密に練るが、今回はあいにくの暑さもあり、家でまったり、時々お出かけ、をベースに過ごした。

 

 久しぶりの母は、相変わらずだった。レストランで、会計や注文がQRコードを使用してスマホで行われたり、ロボットが料理を運んでくることに、純粋に驚いていた。「もう一人では外食できないわぁ。」と感慨を口にしながらも、その驚きをコーフン気味に話す好奇心はさすがだ。

 
f:id:butasanlove:20230825114345j:image

 一緒に卓球に行った。前に一緒にやったのは、母が卓球を初めてそれほどたっていなかった頃で、元卓球部の私はかなり上から目線だったが、現在はそこから30年近くのキャリアを経て、85歳と57歳は、対等なラリーを繰り広げた。

 

 買い物にも行った。陶器や小物、洋服の好みが似ている(というよりは母譲り)なので、一緒にお店を観て歩くだけでもテンションが上がる。普段は膝が痛むはずの母も、休むことなく歩き続けてショッピングを満喫した。母は吟味の末、とてもかわいいジャンスカを買った。結構値が張ったが、エプロンのように普段使いにするのだという。これぞ高齢者の醍醐味❗

 

 料理も一緒にやった。もやしのおひたしを作るのに、丁寧にひげ根をとる母に尊敬の眼差し。私はつい省いてしまうのに。サラダにしても常に彩りを意識する姿勢に、多いに学ばせて(反省させて)もらった。「やっぱり私はお料理が好きだわぁ。」としみじみ言う母。孫たちも、久しぶりのおばあちゃんの料理を思う存分味わった。普段の私の手抜きを再確認してしまったかも💦

 

 おしゃべりもした。その時に感じたことをお互いに口にし合う何気ないやりとりが、なんだかとても貴重な気がした。こだわっていたことや心配していたことが溶けていくよう。父がいなくなって弱っていた母が、たくましく強く前を向いていることも感じて嬉しかった。

 

 母が滞在中、久しぶりに父の夢を見た。「オレも一緒に来てるぞ。」と父からメッセージを送られたような気がした。

 

 母は何事にも興味をもって「へぇー面白いねー」「あらあら、これ見てごらん」「そうかいそうかい、すごいねー」と反応する。父が生前、「おかあさんとドライブすると、『あれあれ❗見てごらんお父さん❗』とはしゃぐから、よそ見をしてしまって危ないんだよ。」とどこか自慢げに話していたことを思い出した。母は、ちゃんと父が好きだった母のまま、生きているのだと思った。

 

 記録的な暑さの中、活動してはうたた寝をする生活を共にして、母は「楽しかったよー」と帰っていった。母が寝ていた部屋が空っぽになっているのにちょっと違和感を感じている。