ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

女子会

 小樽の母が、手のひらサイズになった父を連れて、我が家に遊びに来た。お正月に会えなかったので、半年ぶりの対面である。会いたいと思いながら会えなかったので、こちらとしても気分はみなハイテンションなのだが、二泊三日のショートステイなこともあり、欲張らずに本人に「何がしたい?」と聞いてみることにした。

 すると、
「久しぶりに買い物をしたい。」
とのこと。

 それなら、と、母と娘の女子会ランチとショッピングというドライブコースを計画。私は一番おいしい役を担当し、男性陣はその間、母に食べさせたいものを買い出ししたり、主人などは覚えたてのうどんを打つのだと、その準備にかかった。

 函館元町にある小物雑貨のお店に案内すると、昔よく母としたように、目についた小物を指差しては、ああだこうだと感想を述べ合い、おばあさんとおばさんは、まさに少女のようなはしゃぎようで店のなかを歩き回った。それほど広くはない店内を、たっぷり時間をかけて思う存分観察し、最後のお店で、母はちょっと冒険して、手の込んだ民芸布のスラックスを購入したのだった。

 ランチは、古民家をリノベーションしたカフェに案内し、小さな豆皿に少しずついろんな料理が並ぶ「週替わりごはん」を注文した。料理好きの母は、ひとつひとつの料理を、これは何が入っているとか、味付けはどうなのか、などと吟味しながら丁寧に味わっていて、それを聞きながら食べているわたしは、いつになくゆっくり楽しんで食事を味わうことができたのだった。

 あー楽しかったねー、と母は言ってくれたが、私にとっても、好きなものをゆっくりはしゃぎながら味わえたのは久しぶりな気がした。買ったものはたったひとつなのだが、それでもはしゃげるのが女子なのだ。

 あとは、家でのんびり過ごし、ゲラゲラ笑いながら食事をし、何気ないことを話して、一緒にいることを楽しんだ。

 帰りの車では「父」を胸に抱き、外の景色を眺めてもらった。生前、運転好きの父は何度も車で遊びにきてくれていたから、助手席からの景色は、きっとなつかしく感じてくれたのではないか。ただし今回は、私が母と女子会している間は、父はきっと一人で函館の元町あたりを空中散策でもしていただろう。とても「女子会」には付き合いきれなかっただろうから。