主人が、この４月から単身赴任をすることになった。退職までのラスト２年間、できればこのまま家族一緒に過ごしたかったが、致し方ない。気が重そうな主人を「最後のお勤めだから。」と送り出した。
出発の前日、奮発して素敵なレストランで送別会をした。特別なことをしたわけではないし、あらたまった挨拶をしたわけでもないが、なにげないいつもの会話を、美味しい料理と一緒に味わった。
最後のデザートに、小さなサプライズを添えた。プレートになにかメッセージを書きましょうか？というシェフの申し出に、息子たちが茶目っ気たっぷりに依頼したのがコレだ。
「しっかりやれよ」
ちょっと生意気なこの台詞には、我々親子だけに通じるニュアンスがある。プレートを受け取った瞬間の主人の表情から、いろんな思いがこみあげたことが伝わってきた。お互いが照れ臭くて、笑いでごまかしていたが。
そして、新しい住処を整えに引っ越しに同行した私も、今日自宅に戻った。仕事から帰った主人に向けて、私も同じメッセージを残してきた。ただし、文末には♥️マークをつけておいた。
