ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

干し柿

 叔母の家からレターパックが届いた。開けてみると、「干し柿が仕上がりました。甘味は今一ですが…」という手紙と共にスイーツの空き箱に行儀よく並べられた干し柿が六個入っていた。田舎のおやつ、というこれまでの概念を覆すような、すまし顔の干し柿が可愛らしくて、しばし眺めたのち、家族でいただいた。甘味のおさえた、素朴で上品な味がした。

 さっそく、叔母にお礼の電話をした。私は知らなかったのだが、叔母は10年くらい前から親戚に渋柿を送ってもらい、毎年干し柿作りに挑戦していて、軒先に干された干し柿は、近所の風物詩になっているのだとか。「天気に左右されるのよー。」と飄々と語る叔母だが、長く続けてきただけあってその説明にも愛着がこもっている。

 考えてみたら、叔母が干し柿に挑戦し始めたのは 70歳くらいからではないか。たぶん力むことなく手をつけたのだろうが、年月を重ねるごとに熟成されていって、今に至るのだろう。このためにとっておいたセンスのいい空き箱に、愛情を込めて干し柿を並べる叔母の顔が浮かぶようだった。

 いくつになっても、ひとつのことを力まず丁寧に続けていくこと。これからの生き方のお手本にしたいと思った。