ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

ガイドさん

 久しぶりに先週末に家族で旅行に行った。息子二人も大きくなったので、各々好きな場所を訪れ、二泊三日のまん中の一日を家族一緒に過ごすことにした。行き先は、大河ドラマの影響で鎌倉に決めた。

 年末あたりから計画を練り始めた。それまで観光地を訪れる時はせいぜいガイドブックを読んでから訪れる程度であっさりしたものだったが、今回は鎌倉殿の十三人が面白く、ゆかりの登場人物への興味が高まっていたので、それを深める旅にしたくて色々と調べていると、「鎌倉ガイド協会」というNPO法人を見つけた。オーダーメイドで観光計画を立てた上でガイドもしてくれ、しかも値段も手頃。早速申し込んだ。

 担当のガイドさんとのメールのやりとりが始まった。こちらの希望にあったルートを考えてくれた上に、宿泊先から集合場所までの行き方やランチの相談まで、決め細やかに対応してくれ、旅へのワクワクはどんどん高まっていった。

 当日、鎌倉駅で待ち合わせ、そこから5時間、実に行き届いたガイドをして下さった。豊富な専門知識と地元の話題、そしてお人柄で、訪れる場所の魅力が広がり、ついつい長居してしまう。退職後鎌倉に移り住み、ガイドを初めて6年というそのガイドさんは、大河ファンの我々に合わせてドラマのシーンにあわせて解説してくださり、写真や自作の資料を使ってわかりやすく、質問にも丁寧に答えてくださった。大満足の時間を過ごし、ご自身のお仕事に誇りを持って誠心誠意の対応をして下さったガイドさんに、感謝とリスペクトの気持ちを込めて、最後に一緒に写真を撮っていただいた。

 旅を終えた後、お礼のメールを送ったところ、ご丁寧な返信が届いた。そこには、こんな素敵なことが記されていた。


今回、○○さんご家族をご案内させていただいたことは、私にとっても記念すべき嬉しいことでした。

というのも、あまり人さまに言うようなことでもないのですが、6年ほど前にガイドの試験を受ける際に提出した「小論文」の課題が、「あなたはどんなガイドになりたいか」というお題で、

その時、私はこんなことを書きました。

『一日の案内が終わった後、お客様に「一緒に写真を撮りましょう」と言って頂けるようなガイド』・・・・少々愚直な表現ながら、こんなガイドになれればいいなと考えます。「有難う」だけでなく「一緒に写真を・・」と言って貰えるのは本当に満足して頂いた正直な「証」お客様に満足して頂いた自分に満足して、その日を終える。将来、こんなガイド冥利を味わえたら幸せです。』(提出した控えがPCに残っていたので、そのままコピペ)。

ガイドになってから、参加された方から最後に拍手をいただいたりしたことは何度もありましたが、「一緒に写真を」と言ってくださった方は○○さんが初めてで、何かガイドになった目的が達成されたようで、それが嬉しく、むしろ今回感謝すべきは私の方なのです。

なので、今回送っていただいた写真は宝です



 幸せな気持ちが込み上げてきた。鎌倉という地も、ガイドというお仕事も、今回の旅も、みんな尊いものに思えた。ものすごいパワースポットを訪れたような気持ちになった。