ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

オーナメント

 4月に地方の転勤から自宅に戻って来たときに、大々的に断捨離を決行した。お陰で年末の大掃除はかなり楽になり、ゴミ出しのタイミングを気にしなくてもよくなった。

 その断捨離で、クリスマスツリーを処分した。子どもたちも大きくなり、大きなツリーを飾るモチベーションも減少してしまったので、思いきって決断した。

 でも、ずっとツリーに飾っていたオーナメントは思い出があって手放す気にはなれなかった。

 長男が産まれて二度目のクリスマスに、私は母にリクエストをした。「これから毎年、クリスマスにオーナメントをひとつずつプレゼントしてほしい」と。
 毎年おばあちゃんからの思い入れのあるオーナメントが届き、歳を重ねるにつれ賑やかになっていくツリーの情景を想像し、我ながらいいアイデアだと思っていた。

 ところが母から届いた荷物には、ちょっとお高めなセンスのいいクリスマスオーナメントがぎっしり詰まっていた。

 こちらの意図を思いっきり外してくれた母だが、母なりの心理も透けて見えた。

 初孫への愛情が溢れでて財布の紐がゆるんだのか、当時住んでいた大阪の大きなデパートで、華やかなクリスマスグッズ売場の豪華さにテンションがあがったのか。
 それ以上に、もしかしたら出産後発病し、闘病を終え家族で迎える初めてのクリスマスとなる私への応援の気持ちもあったろう。またはもし再発したら年にひとつずつのオーナメントでは間に合わないとまで考えたのかもしれない。

 お陰さまで再発することはなく今に至り、我が家のクリスマスツリーにはずっとその母のオーナメントが飾られていた。

 今年からはツリーではなく、家のあちこちにそのオーナメントを飾った。形を変えて、あの時の母の思いを繋げていきたいと思っている。