最近、自分のなかの「呪縛」みたいなものをひとつ解除した。生きているなかで、知らないうちにできてしまった「こうでないと、というこだわり」。とはいっても、生き方だとか、信念などという確固たるものではない。いわゆる「思い込み」とでもいうのだろうか。それは
「私はおでこを出してはいけない」
というこだわりだ。
いつからかはわからないが、思い当たるのは、高校の修学旅行で「映画村」に行ったとき、日本髪のかつらを被りお姫様の格好で撮った写真を見たときのショックだろうか。しかし、その前からも「おでこは見せられない」というコンプレックスは強かったように思う。
美容室に行くのが大好きで、その都度どんな風にしようかと考えるが、最初の段階でおでこが出るスタイルは除かれる。前髪を切る際も「眉毛ギリギリまでにしてください。」と、何度告げたことだろう。そうそう、濃くて太い「眉毛」にもコンプレックスが強かったのだ。「似合わない」という感覚を超え「してはならない」くらいに強く思い込んでいた。
そのことに気づいたきっかけは「眼鏡」だった。老眼が進んだせいか疲れ目がひどくて眼鏡を新調することになり、「眼鏡に似合う髪型」を探している時、当然のように短い前髪スタイルをリストからはじく自分にふと、「あれ?」と思った。そして、自分が自分に枠をはめ込んでいたことに初めて(⁉️)気がついたのである。
気づいたとたん、「この思い込みは自分の今後の人生には『要らないもの』だな。」と思った。最近心がけている「断捨離」の成果だろうか。
早速、美容室にいって「前髪は眉毛の上2センチまで切ってください。」と告げた。生まれて初めてのことだった。
似合ってるかどうか、はわからないが気に入っている。今まで見たことのない自分に会えたことに。歳を重ね、「人目よりも自分の思い」を大切に思うようになったからかもしれない。
若い自分が、人目を気にして自分にかけていた「魔女の魔法」。今となっては、その事自体を愛しいなぁと思う。でも、それはもう、手放すことにした。
これからこんなことがたくさんあるのかもしれない。年をとるのも悪くない。これからの人生楽しみだなぁ、と思う。