ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

ひよことにわとりの間

「ひよこからにわとりになる瞬間って見てみたいよねー。」

 私のこのセリフに主人がギョッとして絶句してしまった。その様子を見て、私も「もしかしてかなり恥ずかしいこといった?私💦」とかなり動揺💧

 笑うことも憚れるような表情の主人。それはそうだろう。このテの話が専売特許の次男ならまだしも、たっぷり半世紀分の経験を積んだはずの人間が、今さら何を言い出したのかと…。

モスラじゃあるまいし。」

 そう言われて、あらためて自分がずっととんでもない勘違いをしていたことに気がついた。

遠い遠い昔、まだ小学生の頃。近くの友達の家で飼っていたひよこがいつの間にかにわとりになっていた。その時、その友達が
「朝起きたらにわとりになっていたさー。」
と多少大袈裟に教えてくれたことを、そのまま(というか、勝手にイメージを膨らませて)インプットしてしまったらしい。
その時のことを未だに覚えているくらい、私にとっては衝撃的な出来事だったのだ。

 しかし、それが訂正されることなくここまで来てしまったのは、ある意味奇跡的ではないか。

 冷静に考えれば、モスラのようにサナギになったり、ザリガニのように脱皮したり…なんてことはあるはずもなく、学校教育のどこかで自然と情報が訂正されてしかるべきだったのである。

 まるで洗脳されていたかのように、半世紀にわたって信じこんでいた自分の思い込みに愕然とした。まるで魔法をかけられていたようではないか。

 現実を受け入れようと、「ひよこからにわとりへ」と検索したら、ひよこがにわとりに変わっていく途中の首か長いひよこの姿が出てきた。

魔法から覚めた瞬間だった。