今日は朝から庭の野花を整理した。すっかり伸びきってしまい、他の雑草が勢いづいていたり、風で倒されたりしていて、ピークは過ぎていたのだが、昨日までは何とかそのままにしておきたかったのだ。
この週末、両親が我が家を訪問してくれた。同じ北海道に住んでいるが訪問は二年ぶりである。
２年前、それまで恒例だった次男の運動会を観に来る旅の予定をたてていたところで、父が体調を崩し、それから長い闘病生活に入った。
父や母を励ますため、そして自分自身を勇気づけるために、私はいつも目標のように口にしてきた。「元気になったらうちに来てね。」と。
長い入院生活、抗がん剤治療、治療後のリハビリ。本人もそれを支える母も、よく乗り越えたと、本当に思う。ありがたいことに、日常生活を取り戻すことが出来た。
「春になって暖かくなったら行くね。」と言われていたが、こちらの転勤で少し待ってもらうことになり、やっとこの新しい土地に二人を迎えることになった。
それだけに、思い出に残る楽しい旅にしたかった。どこに連れて行こうか、何を食べさせようか、何かサプライズでも…などというアイデアを考えながら、この庭一面の野花も見せたいな、と思った。見慣れた花ではあるが、花好きの母はきっと目に留めて印象に残るのではないか、と思ったのだ。
二人水入らずでJRでやってきた父母は、どこに連れて行っても、「いいとこに連れてきてもらった。」「来られて良かったねー。」「いやぁ、ありがとねー。」を繰り返した。それを聞く度に、私は２年前にキャンセルになってしまった旅、その後ずっと、心にかかっていたあの旅へのこだわりが消えていくのを感じた。きっと二人は、私のそのこだわりを知っていて、それを消してやろうと来てくれたのだなぁと思った。
「楽しかった。」と喜んで二人はまたJRで昨日、帰路についた。
今日、庭の野花を整理しながら、２年間感じていたこだわりを完全にリセットした。
だからこそ、これからはもっと気楽に、ちょくちょく遊びに来てもらいたいとあらためて思っている。
