今日は、次男が新しい環境にチャレンジする日だった。
彼自身が望んだ環境ではあるが、彼は小さな時から慣れない環境に入っていくのが苦手である。口ではいつも強がっているが、いざとなると尻込みしてしまう。まぁ、それは一般的なことなのだろうけれど。
なので、当然今日の朝も様子がおかしかった。口数が少なく、元気がない。とうとう「今日はやめておこうかな。」と言い出した。
「緊張してる？」と聞くと「うん」
こんな時、どんなふうに勇気づけたらいいだろう。大丈夫だよと励ますか、わかるよーと共感するか…。
その時、ふと頭に歌詞が浮かんだ。
緊張するのは良いことさ。
好きなことをやっている証拠
チビるくらいの武者震いを隠したら
信じた道を突き進むだけ
(斉藤和義「せめていこーぜ」）
なんとなく口ずさんでみた。
彼の顔がちょっと明るくなった。
うれしくなって、スマホで楽曲を捜して一緒に聴いた。彼にも私にもピタッときた気がした。
元気が出てきた。口ずさみながら、新しい挑戦に出発した。
歌ってスゴいな、と思った。どんなに頑張っても、私の中からあのフレーズは出てこなかった。たとえ出てきたとしても、あのメロディでなければ彼の中に入っていかなかったように思う。
彼は「楽しかった❗」と輝いた表情で帰ってきた。私の中で、再び「せめていこーぜ」が鳴った。
