ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

街の灯り

今回の地震で停電している間、色んな予定はことごとくキャンセルとなったので、家族以外とはほとんど接触することがなかった。情報が入らず、不安が押し寄せてくるのを振り払うように、家族の誰もがいつもよりテンションを上げ気味に過ごしていた。

私は、と言えば、電気が止まっている冷凍冷蔵庫のなかみを心配し、ことあるごとに「ガリガリ君食べない?」と家族に声をかけていた。

冷凍庫には、ここぞというときのために買っておいた「近江牛」があり、あれをダメにしてしまうのはもったいない❗と、夕御飯はすき焼きにしようと提案した。家族は「いいね〰️🎵」と同意し、電気のつかない真っ暗な食卓でランタンやろうそく(仏壇の💦)の明かりを頼りにすき焼きを食べた。
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「なんか、キャンプみたいだねー。」と、不安の狭間で気合いをいれていると、長男がそこで「音楽かけようか。」と、貴重なスマホのバッテリーを使ってある曲を流してくれた。

それは、北海道で人気のラジオパーソナリティーで今年の4月に亡くなった日高晤郎さんの歌う「街の灯り」だった。小さい頃から一緒にラジオを聴き、日高晤郎さんの大ファンだった長男は、そのラジオ番組で流れている思い出の曲を集めて編集していたのだ。

次々に流れる懐かしい曲を聴きながら

晤郎さんなら、今週の土曜日、ラジオでどんな話をするだろう。」そんな話になった。

何を言ったかなぁ、晤郎さんは。
きっと、色んな思いを「笑い」にのせて全道にエールを送ってくれていたろうな、と思った。

不安だから下を向くのではなく、自分の周りのできることを丁寧に、精一杯、歯をくいしばって、そして笑おう!と声をかけてくれていたのではないか。いつも、そうだったように。

「真っ暗な外を散歩しよう!」と次男が言い出し、外に出た。灯りが全くない夜空は、思わず歓声をあげてしまったくらい素晴らしかった。こんなにもたくさんの星があったのか、こんなにも明るく輝いていたのか…と。停電でなければ観られない、壮大な風景だった。

「街の灯り」が応援歌になって、もう一度聴こえてきた。