ごはんとみそしるの日記

日々のあれこれ

神様との約束

 2年前、次男が中3の時、学校で「命の授業」というのがあり、先生から保護者に「お子さんが生まれたときの事を手紙で知らせてください。手紙は本人しか読みません。」という内緒のお便りが来た。その授業の最後に、生徒一人一人に渡されたらしい。その時の下書きを残しておきたいので、投稿します。


 17年前の今頃。お兄ちゃんが小学2年生で、ひとりっ子で、うちは三人家族でずっといくと思っていた頃、突然私のお腹の中に赤ちゃんがやってきました。すごくビックリしたけど、パパもお兄ちゃんもすごく喜んで、四人家族になる日が楽しみで、新しい期待で一杯でした。けれど、妊娠五ヶ月が過ぎて色んな準備を始めていた冬の日の夜中、急に破水し病院に運ばれ、流産してしまいました。

 今でも、その時の光景は忘れられません。パパもお兄ちゃんもとても悲しかったと思うけど、それ以上に私のことを気づかってくれました。そんな風に心配されるくらい、しばらく悲しみから立ち直れなかった。まだ生まれる前だから、悲しみは少ない、とは全く思えなかった。さっきまでお腹の中にいて、みんなで話しかけていて、これから家族になることを楽しみにしていた命。悔しくて悲しくて、とにかくさみしくて、その気持ちに押し潰されるように誰もいない家のなかで大声で泣いたことを覚えています。

 それからずっと、神様にお願いしていました。どうぞ赤ちゃんをお腹に戻してください。大切に育てますから。たとえ、どんな子であっても、ちゃんと育てますから。お願いですから、もう一度お腹に戻してください、と。

 それから半年たって、また私のお腹に赤ちゃんが戻ってきました。それがあなたです。

 この手紙を書きながら、あの時のことを思い出しています。あんなに切実に心から祈ったのだから、今の日常のいざこざなんて、大したことではないんだよね。あなたが生まれてきてくれたこと、元気でいてくれることが喜びです。

 これから高校受験があって、自力で前に進んでいかなくてはいけない、あなたにとっては生まれてから一番の試練かもしれないね。パパもママもお兄ちゃんも、できることは応援しかないし、だからその応援がたまには重く感じるかもしれないけれど。

 でもあなたが、これを乗り越えて大きくなれることを祈っています。3月、「よくやったね」って伝えることを楽しみにしているよ。